モバイルギャップ:スマホのアクセスは増えるのに、売上はPCから




mobilegap

スマホの売上が、このままだと危機に瀕するかも、という話をご存知だろうか。

『モバイルギャップ』という言葉がある。
スマホのアクセスは増えるのに売上の上昇率はそれより低い。
つまりスマホの売上はなかなか増えづらくなっている。
そして売上はPCからがメインのままとなってしまう。
しかしモバイルコンテンツの制作費はかさむ一方…

このジレンマを指してモバイルギャップ(Mobile Gap)などと言うことがあるようだ。

ただしこれは恐らくアトリビューション分析を正確にやれば多少結果が変わる気もしている。

スマホで見て、PCで購入する。

単にこういう流れというか、ユーザーの無意識的な行動が背景にあると思われるからだ。
私もある大手広告代理店と連携して、保険や不動産関連サイトのアトリビューション分析を行ったことがある。
これら保険や不動産といった高額商品の場合、まさに上記のようなモバイルギャップが生じやすいと感じた。

そのときのユーザーの心情のフローを噛み砕いて言うとこんな感じ。

彼らは情報はスマホで集める。
集めた情報を元に検討が終わり、いざ購入・申し込みしようと決意したとする。

それでも約款とか注意事項、規約など細々した情報をもう一度よく確認してから万全の状態で申し込みたい。
その場合スマホの画面だと小さいし色々な情報をテキパキと読んでいくことはやりづらい。

だからPCを開き、広い画面で諸々吟味しながら最後に申し込みボタンを押す。
…的な。

つまりスマホではPCの時と比べて購入とか申し込み時の障壁が多すぎるのだ。
そして言い方を変えれば、スマホのアクセスから購入につながるケースも多いと言う事。
購入フェーズがPCなだけではスマホからこの購買行動がスタートしているだけという事。

この辺りを踏まえると、この『モバイルギャップ』という言葉は正しくないかも知れない。
『モバイルハザード(Mobile Hazard)』とか『モバイルバリア(Mobile Barrier、モバイルの購買行動における障壁)』なんかの方がまだしっくり来るかな。知らないけど。

いずれにせよ、これらはIoTなどでも顕在化しうる材料だ。
この購買行動を妨げるバリアをいかに取り除くかが鍵になるといえる。

ちなみに海外ではこのモバイルギャップの問題は媒体社(特に新聞)が強く感じている。
なぜなら媒体社のモバイルサイトの広告枠の売れ行き、ならびに効果が芳しくないからだ。
これはBuzzfeedやNewyork Timesなどのニュースメディアは軒並み顕著に感じ取っている。

そして彼ら媒体社は基本苦戦しつつも、2つの活路を見出そうとしている。
1つはネイティブアド。
CNNはミレニアル世代を対象にした『Great Big Story』という動画コンテンツサイトを開始した
収益源はネイティブ広告となる。

もう一つは「インスタントアーティクル」という、Facebookが2015年に開始したニュースサービスだ。
これは同時に媒体社にとってはニュース配信をできる広告システムとなる。
Facebookはオーディエンスデータを豊富に持っているとして媒体社からの期待はとても高い。
なお先日、Facebookはインスタントアーティクル登録媒体を数千社増やしたらしく、順調に拡大している。

媒体社のこの取り組みはまだ始まったばかりである。
モバイルユーザーのユーザー体験を慎重に分析しつつ、体験を損ねない広告を見せる。
このシンプルかつ基礎的かつ難しい取り組みをどうドライブするか見ていきたい。
また、日本の媒体社がこの辺りの課題に気づきつつも、大手であればあるほど米国のような先進的な動きが無いことは非常に残念である。




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