スポンサーリンク

世界と日本のコンサルティング業界とコンサルティングファーム

スポンサーリンク

世界のコンサルティングファーム概要

コンサル業界の市場規模は46兆円(4150億ドル)、コンサル先進国のアメリカがほぼ半数の21兆円を占めています。

多種多様なコンサルティング会社の種類

コンサルティングを提供する企業にも様々なタイプがあります。ここではコンサル企業の種類について紹介します。

戦略系コンサルティングファーム

企業は戦略が無いとビジネスが出来ません。大手企業になるほど戦略も複雑膨大になります。
戦略系コンサルティングファームは、名前通り、企業の課題を洗い出し、世の時流を見極め、企業ごとのコアなバリューを活かし、ビジネスで勝つための戦略を策定するサービスです。

主に企業の戦略室や、代表取締役、役員など、会社のトップ層とのやり取りになります。
戦略系は数あるコンサルファームの中でもトップオブトップの業態です。
多くのエリートの憧れの職業の一つでもあり、就職の競争率もトップクラスの難関ぶりです。

※日本オフィスに当該する拠点があればそのURLへリンクしています

会計系(ビッグフォー)コンサルティングファーム

戦略コンサルティングだけでなく実装も担当します。四大会計事務所もしくは四大監査事務所とも言いますね。

ブティック型(特化型)コンサルティングファーム

ブティック会社はコンサルタント業の特定分野を専門としています。

など

IT/システム系コンサルティングファーム

IT系コンサルティングファームは、コンピュータシステム、電気通信、およびインターネットに関連するプロジェクトを計画し、実施します。

人事系コンサルティングファーム

人事系コンサルティングファームは、社員・従業員のマネジメント、給与、年金のためのコンサルティングを提供しています。

独立・フリーランスのコンサルタント

独立系コンサルティングファームは名前通りどこかのグループ会社・関連会社ではなく、フリーランスや1人会社としてコンサルティングを受ける人・企業を指します。

世界ではこうしたフリーのコンサルが全コンサルタントの約45%を占めていると言われています。日本だともう少し少ないでしょう。通常は自分の小規模オフィスや自宅の空き部屋でさえ働いています。

コンサルティングサービスの種類

コンサルティングと一口に言っても様々な形態があります。それほど企業や人のビジネス上の課題は尽きません。1社のファームで1つを提供する場合もあれば、1社で戦略から法務、システムの実装など包括的に行うサービスもあります。主なコンサルサービスのタイプをここでは紹介します。

マネジメント系/戦略系

マネジメントコンサルタントは、戦略、運用効率、およびクライアントのポリシーを改善するための方法を提案し、実装します。

人事系コンサルタント

企業がビジネスで最も予算や工数を割く要素の一つが人事です。それほど大事であるにもかかわらず、企業によっては属人的な管理だったりと、課題の多い領域でもあります。
人事コンサルタントは、企業の従業員のマネジメントや採用など、人事戦略全般をコンサルティングします。

システム系コンサルタント

システムコンサルタントは、最新のテクノロジーとその顧客のビジネスとの統合を促進し、ツールのインストール、保守、および管理のコンサルを行います。特に企業ごとにマネジメントや拠点などが違いますので、各企業の課題をとらえ、適確な提案を、膨大な選択肢の中から提案出来ないといけません。

マーケティング/広告系コンサルタント

上で、人事が企業が最も予算と工数を割くと言いましたが、マーケティング戦略も同様です。マーケティング戦略はすなわち、ほぼ企業の戦略の根幹となります。
どの様なターゲットに、どの様な商品を、どの様なコミュニケーションを取りながら、どの様な販路で売り、どの様に彼らLTVを向上させるか。マーケティングコンサルが担当する範囲はほぼ戦略コンサルと似ています。そのため、例えば広告代理店のリサーチャーや戦略担当のストラテジックプランナーと言った職種の人は、その後戦略コンサルに転職する事がしばしばあります。

法務/会計系コンサルタント

会社および税法に精通した法務および会計コンサルタントは、法令遵守を保証し文書を作成するために企業から求められています。

メディア/広報(PR)コンサルタント

企業は、自分の最高のイメージを顧客や顧客に提示し、メディアコンサルタントのサービスを利用します。世間とどうコミュニケーションをしていくかは選択肢が多すぎて、コンサルタントの手が必要です。何かのサービスを販売する時以外にも、例えば不祥事の記者会見なども、事前にPRコンサルが呼ばれ、いわゆる「メディアトレーニング」と言うものを行います。会見は一瞬の気のゆるみや準備不足が、その後のブランド価値や売上に大きく響きます。会見で必ず言うべき事、絶対に言ってはいけない事などを洗い出し、あらかじめ練習した上で会見に臨みます。

財務/投資系コンサルタント

財務/投資コンサルタントは、金融の世界の動向を認識しており、個人や組織が資金をどこに配置するかについて適切な決定を下すのに役立ちます。

この様な「○○コンサルタント」は人の課題の数だけ無数に存在しています。出版、デザイン、公共政策、キャリアなどなど、様々な分野でコンサルが活躍しています。

世界のトップコンサルティングファーム

コンサルティングファームやコンサルタントの種類が多種多様なものであると言う事が分かったところで、ありとあらゆるコンサルファームのうち、世界のトップファームを並べて見ました。

アクセンチュア

1989年設立。(以前はAndersen Consultingと言う名前)。本部はアイルランドのダブリン。売上は34.85億ドル(2017年)。従業員数は約435,000人(2018年)。なおインドでは13万人の従業員がいるとの事。

主なコンサルティングサービスはコンサルティング、戦略、デジタル、テクノロジーオペレーション。

2016年に従業員のトレーニングと開発に1,049億円(9億4,100万ドル)を投資しました。職場の多様性を増すことを目的としており、2025年までに完全なジェンダーバランスを達成することを計画しています。2016年には、従業員の40%が女性でした。社会的イニシアチブの一環として、アクセンチュアの従業員は「世界の300万人の人々に職場と起業家のスキルを授与する」という「成功するスキル」プログラムを採用しました。

ベイン&カンパニー

1973年に設立され、ボストンに本社を置くベイン(Bain)は、マッキンゼー(McKinsey)およびBCGと共にビッグスリーと言われる、3大経営コンサルタント会社の1つです。56ヶ所に拠点があります。売上は5,000億円(45億ドル(2017年))。従業員数は約8,000人(2018年)。

主なコンサルティングサービスはフォーチュン500社の企業戦略、M&A、プライベートエクイティ投資、市場分析、およびファイナンスです。

ベイン(Bain)は、顧客の利益を、サービスに費やしたお金の5~10倍に増やす…と強気の主張をしています。秘密保持組織としても知られており、「コンサル業界のKGB」などというニックネームが付いてたりします。社会的責任への取り組みとして、UNHCRと世界小児財団のためのプログラムに尽力しています。

ボストンコンサルティンググループ(BCG)

1963年にBruce Hendersonによって設立されたBCGは、50カ国に90のオフィスを構えています。本社はマサチューセッツ州ボストン。売上は脅威の6兆2,425億円(56億ドル(2016年))。戦略領域では世界トップじゃないでしょうか。

従業員数は約全世界で6,200人のコンサルタントを含む14,000人。最近はBCG Digital Venturesと言うデジタルやクリエイティブ領域を扱う拠点を置き、広告代理店などからクリエイターを多数採用しています。

主なコンサルティングサービスは戦略策定。小売、健康、医療、化学の分野での活動で知られています。

BCGは、Glassdoorの2017年の米国で最も年収の高い企業と、最も働きがいのある企業ランキングに掲載されていました。年間平均報酬総額:1,638万円(147,000ドル)と言われています。他に、コンサルティングマガジン(Consulting Magazine)誌の「最も働きがいのある企業」ランキングや、ワーキングマザー(Working Mother)誌の「働く母親にとって最も優れた企業」ランキングにも掲載実績あり、と言う会社です。

BCGと言えば「BCGマトリクス」。
例:https://growthhackjournal.com/how-to-use-the-bcg-matrix-model/
企業が部門や事業ごとに予算をどう割り当てるかを探るためのツールとして有名です。

Strategy&

旧ブーズアレンハミルトン。ワシントンDCのバージニア州マクリーンが本社。主に米国政府のIT戦略と統合を担当しています。もともと1914年に設立され、世界中に80のオフィスを持っています。売上は6,100億円(54億8000万ドル(2014年))。従業員数は約22,000人(2014年)。

主なコンサルティングサービスは2008年、親会社のブーズアレン(Booz Allen)が、2つの主要部門(政府・民間企業を1つずつ扱う)をブーズアレン(Booz Allen)とハミルトン(Hamilton)、そしてブーズ&カンパニー(Booz&Company)に分割しました。現在はブーズ&カンパニーの方はPwCの一角となりストラテジー&カンパニー(Strategy&)に改名されています。
ITコンサルティングは、ブーズアレンハミルトン(Booz Allen Hamilton)が米国政府に提供する主要なサービスですが、国土安全保障省を含むほぼすべての部門に対応しています。

2013年に、BAHの従業員の50%が最高機密レベルのセキュリティクリアランスを取得しました。ブーズのワークライフバランスが他のコンサルティング会社よりも優れていると言う評判はたまに聞きますね。

かつて国家安全保障局から機密文書を漏らしたエドワードスノーデン(Edward Snowden)は、ブーズアレンハミルトン(Booz Allen Hamilton)の元従業員でした。スノーデンは大学の学位を持っていないにもかかわらず年収2,200万円(200,000ドル)が支払われたと言われています。BAH側の主張では、実際に1,300万円ほど(122,000ドル)の年収だったと主張しています。まあいずれにしても立派なエリートです。

デロイト(Deloitte)

イギリスで設立されたデロイト(Deloitte)は、アーンスト&ヤング(Ernst&Young)、KPMG、およびPwC(プライスウォーターハウスクーパーズ)と共に専門サービス会社の1つで、ウィリアム ウェルチ デロイト(William Welch Deloitte)氏によって設立されました。本部はロンドン。売上は2017年には過去最高の4兆3,250億円(388億ドル)。従業員数は約263,900人(2017年)。

主なコンサルティングサービスはコンサルティング、監査、企業リスク、税務、および財務アドバイザリーサービスを提供しています。同社は、人的資本、戦略と運営技術という3つのサービス分野に分けられています。

フォーチュン(Fortune)誌は、2016年にデロイト(Deloitte)を「働きやすい 100の場所」リストの1社に選出しました。ブルームバーグは、「キャリアの立ち上げに最適な場所」1社に何度も選んでいます。同社は、2012年ロンドンオリンピック、2010年バンクーバー冬季オリンピック、および2010年冬季パラリンピックのスポンサーでした。

アーンスト&ヤング(Ernst&Young)

150カ国に700のオフィスを持つアーンスト&ヤング(Ernst&Young)は、ビッグ4の1つです。元の会社は1849年設立。本社はロンドン。売上は3兆4,892億円(313億ドル)。従業員数は約25万人(2017年)。

主なコンサルティングサービスは財務監査および会計アドバイザリーサービス。EYの収益の38パーセントを占めます。その他、国際税務サービスを含む税が26%。リスクと業績の改善を含むアドバイザリが26%。そしてトランザクションアドバイザリーサービスは9%です。

2017年に、フォーブス誌はEYを最高の経営コンサルティング会社に挙げました。同社は2016年のリオオリンピックと2012年と2014年のライダーカップのスポンサーでした。2014年には、EYがいくつかの多国籍企業向けに設計した税務取り決めが「ルクセンブルクのリーク」を通じて公表された…などで話題に上っています。

KPMG

クリンヴェルド ゲルデラー(Klynveld Goerdeler)社とピート マーウィック(Peat Marwick)社の合併により1987年に設立されたKPMGは、ビッグ4の1つで、150カ国以上で運営されています。本部はアムステルフェーン、オランダ。売上は約3兆円(264億ドル(2017年))。従業員数は約188,982人(2016年)。

主なコンサルティングサービスは財務監査、戦略アドバイザリー(経営コンサルティング)、および税。

KPMGは、フォーチュン(Fortune)誌の「働きがいのある企業100社」のリストで12位にランクされ、従業員によって投票されました。ワーキングマザー(Working Mother)誌の「働く母親のための最高の会社100選」に掲載されています。ビッグフォーの中でも、KPMGはワークライフバランスに最も力を入れていると言われています。

KPMGには80の事務所があり、全50の州で拠点があります。
KPMGはたまに大きな話題に巻き込まれる事があり、例えば2018年には破綻した米国の建設会社カリリオン社(Carillion)の監査が脚光を浴び、2017年にはGupta家を巻き込んだ論争に巻き込まれるなどなどの側面も注目を浴びました。

マッキンゼー&カンパニー

1926年に設立されたマッキンゼー(McKinsey)は、世界で最も権威のある経営コンサルティング会社であると考えられています。BCGおよびベイン(Bain)と共にビッグスリー企業の1つです。世界中に127のオフィスがあります。本部はニューヨーク。従業員数は約27,000人(2018年)。
日本ではマッキンゼーはトップ中のトップコンサルファームですが、実は世界的に見て最大規模ではありません。売上は1兆円(100億ドル)以上(2018年)とボスコンの6兆円に比べてかなり下の方です。

主なコンサルティングサービスはご存じ、戦略策定。テクノロジー、天然資源、商品から娯楽やメディアに至るまでの幅広い産業分野における、顧客企業の戦略的、組織的、運用的、および技術的な問題に対するコンサルティングを提供します。

マッキンゼーの文化として有名なものが「Up or out.」昇進または成長しないなら退職せよ、と言うもの。ドライで競争社会なアメリカ然とした社訓ですよね。国や地域によって多少の差はあると聞きます。日本オフィスではそこまでクビになりづらいとも。

マッキンゼー(McKinsey)は、世界の上位100社のうち90%にサービスを提供していると主張しています。マッキンゼークオータリー(McKinsey Quarterly)を1964年以降から発行しています。またマッキンゼーグローバル研究所(McKinsey Global Institute)を運営しており、毎年55億円(5000万ドル)から111億円(1億ドル)を研究に費やしています。

マーサー(Mercer)

1945年に設立されたマーサー(Mercer)は、マーシュ&マクレナン(Marsh&McLennan)社の子会社です。所在地は40カ国、180都市。売上は4,800億円(43億ドル(2016年))。従業員数は約21,200人(2016年)。

主なコンサルティングサービスは戦略です、ヘルスケアや人事・キャリア(HR)の分野に事業を集中しています。

マーサー(Mercer)は、世界最大の人事コンサルタント企業の1つに数えられ、2015年のフォーブス(Forbes)誌の「アメリカで最も優れた雇用者リスト」のリストに加えられました。マーサー(Mercer)は、最も優れたHRコンサルティング会社ランキングで「2018念No.1」と評されました。同社は、クライアント企業にとって理想的な従業員エコシステムの構築を支援し、従業員の健康計画や退職計画を設計。従業員にとって最高のパフォーマンスを引き出すと同時に従業員に対して優しい会社となる様コンサルティングします。

プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)

1998年にプライスウォーターハウス(Price Waterhouse)社と、クーパース&ライブランド(Coopers&Lybrand)社の合併により設立されたPwCの歴史は、19世紀半ばにまで遡ります。150カ国に約800の事務所があります。本部はロンドン。売上は4兆2,029億円(377億ドル(2017年))。従業員数は約236,000人(2017年)。

主なコンサルティングサービスの範囲として、アシュアランス(保証業務)(42%)、アドバイザリー(33%)、および税金(25%)が、PwCの主なサービスラインです。
※アシュアランスとは誰かが一定の規準で作成した情報に対して、別の利用者のために信頼性を付与することです。出典:http://www.takeuchi-cpaoffice.com/article/13605095.html

PwCは、ヴォルト(Vault)のPwCのAccounting Top 50ランキングの1位、総合栄誉賞(Overall Prestige)の1位になっています。PwCは1935年以来、映画芸術科学アカデミーのアカデミー賞への投票の集計を支援してきましたが、2017年には賞を受賞した映画の名前を含む間違った封筒を発表者に引き渡す責任もありました(日本でもちょっと話題になりましたね)。同社はスポーツイベントやチームのスポンサーであり、1992年以来オランダのサッカーチームのオフィシャルスポンサーでもあります。

スポンサーリンク
デジ雑記
タイトルとURLをコピーしました