ハイブランドの業態が少しずつ変わりつつある。
ハイブランドのセカンドライン廃止がトレンドに
ハイブランドにはセカンドラインと呼ばれる、少し低価格でより若い層に向けたサブブランドがある事がある。
海外では主に「Diffusion Line」と呼ばれる。
上記に挙げたバーバリーのBrit、London、Prorsumがそうだ。
これらはエントリーラインなどとも呼ばれる。
本体ブランドより少しリーズナブルな価格で、少し若い層を、少しエッジを聞かせたデザインでひきつける。
セカンドラインの購買層がより購買力をつけたときに、本体ブランドへの購買へと移行してもらうことが狙いだ。
このハイブランドのセカンドライン戦術は主に90~2000年代に効果的だった。
しかし最近ではセカンドラインの不調が続いている。
ここ最近の報道で他に大きかったのは、Marc by Marc Jacobsが本体のMarc Jacobsに、D&Gが本体のDolce & Gabbanaに吸収された事などだ。
セカンドラインを駄目にしたのはファストファッションがきっかけ
セカンドラインが不調となる大きな理由として、ファストファッションの台頭がある。
ファストファションは上記の「本体ブランドより少しリーズナブルな価格で、少し若い層を、少しエッジを聞かせたデザインでひきつける」役割を完全に奪ったからである。
しかもファストファッションブランドは、ハイブランドのセカンドラインよりスピードが早い。
流行の反映が早い。流通も独自の経路を確保しておりデザインから店頭に並ぶまで最短数週間という速さである。
もはやコレクションの発表から1年後に商品を発売するようなやり方は時代に合わないのである。
同時に、セカンドラインを抱えるようなハイブランドのほとんどがデジタルへ注力しきれていない。
(個人的にも、ハイブランドの商品情報やアウェアネスは全くと言っていいほどネット上にないと感じる)
つまりかつては若年層への販売チャネルとしてセカンドラインが存在していたが、今有効なのはデジタルであり、そこに移行できていないハイブランドが多すぎるのである。
まとめると、ハイブランドのセカンドラインは今やファストファッションにその役目を取って変わられた。
そこに対する手段としてデジタルへの注力が急務となっているのである。